本施設は「薬師池公園四季彩の杜エリア」の核として、エリア周辺の回遊性を向上させ情報発信の拠点となる複合施設として整備された。事業者は町田市、指定管理者が運営する公設民営の公園として、計画初期から照明環境の重要性を考慮し計画された。敷地は緑豊かな多摩丘陵にあり4棟の建物を分棟し、芝生の広場と緩やかに登る雑木林の散策路から構成されている。広場や散策路は動植物に配慮し拡散する光を抑え、安全性を確保した必要最小限の足元灯とし安心感のある暗闇を計画した。用途や利用時間の異なる4棟の建物は使用されていない時間帯も照明制御により建物内部の光をほのかに灯し公園の賑わいを創出する。建築の特徴となる切妻屋根の軒先を照射することで有機的な建物の配置を強調した。“建物から見える庭”“木々を通して見える窓明かり”が折り重なり視点によって表情が変化し「集落に灯る窓明かりのような人の営みがつくる夜間景観」となった。

Location : 東京都町田市
Architecture : 山田伸彦建築設計事務所
Landscape Architecture : スタジオテラ
Completion Date : 2020